2010年7月19日月曜日

石井好子

特にシャンソンファンでもないし、石井好子の歌を聴いたことすらないんだけど、『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』だけはずーっと気になっていて、つい二ヶ月前に泊まりに行った友人の家でその本を見つけて、眠りに落ちた友人のそばで朝晩読んでいた。読み終わる前に友人はパリへ引っ越してしまったんだけど、それでも心に残るエピソードがいくつかあって日常的に思い返していた。ふと、今でもお元気なのかな?と思ってネットを覗いてみたら、つい先日の訃報が。
本ではないけど手元にある、anan増刊のころのクウネルに載っているインタヴューからの抜粋。

お料理を作れる人は基本的にしあわせだと思いますよ。なぜかというと、お料理するということは楽しいんです。作ればできあがるし、続ければ誰だってうまくなるものなの。そして人を喜ばせることができる。もちろん自分もね。料理ができないと、人生の喜びはずいぶん減るんじゃないかと思うんですね。たとえば、いいハスが届いて、煮物にしようか、いや、ハスだけの天ぷらもいいなとか、そういうことを考えるということは、毎日ちらりとでも、楽しみがある人ということでしょう?
そのうち手に入れようと思っていた本。後半は追悼の意を込めて読むことになりそう。